「なぜPSPを買ったの?」
彼女が真剣な面持ちで僕に問いかけた。
「そうだな。どうしてだろう。特に思い当たることもないよ。その場の思いつきだったのかもしれない。」
「ふざけないで、おしえて?」
「性能、が素晴らしかったからかな。他には何もないよ。」
「それだけじゃ分からないわ。はっきりおしえて。」
珍しい事だった。考えるという作業を苦手とし、干渉し、されることを嫌がる彼女がここまで食い下が ってきたのだ。
好奇心からくるものなのか、ただの暇つぶしなだけなのか。
(皮肉をこめながら)「やれやれ……」と僕は呟いた。
僕は彼女のタメにいちから説明をした。
PSPの何が素晴らしいのか。どれだけ有益な事があるのか。
純朴な生娘が、たった一度の性交により性に溺れていくかの如く、彼女包みこもうとした。
それだけPSPは有能なのだ。
「ふぅ」
説明が終わったところで僕は思わずため息をついてしまっていた。
断っておくけど元来僕は、なにか一つの事に対して熱く語るタイプの人間ではない。
しかし考えてもみて欲しい。
あのシックなデザイン、4.3inchワイドスクリーンは見るものを魅了してしまう。
人であろうが獣であろうが、生物の本能に訴えてくる。これは仕方ない事なんだ。
「理解してもらえたかな?」僕は少々の疲労を感じていた。
「あなたの言う事長すぎるわ。私もう飽きちゃった。」
ダメだ。なにも変わってやしない。考えない者は在り方はいつの時代も同じなのだ。
「でも、私はそんなあなたが好きよ」
突然の告白に不意を衝かれ、平静を装えない僕に彼女は柔らかい物腰で言った。
「持ってて良かったね。PSP」